コンテンツの多様化で活躍するチャンスが広がる テレビ・映像業界の最新動向【テレビ業界編】
主戦場がインターネットに移行したことで、コンテンツの多様化が進んでいるテレビ・映像業界。これにともないディレクターやクリエイター、マーケッターなどの活躍の場は、さらなる広がりを見せています。
そんなチャンスが広がるテレビ・映像業界の最新動向を2記事にわたってレポート。第1回は【テレビ業界編】です。
テレビの仕事に興味があり、業界の現状を知りたいとお考えの方は、ぜひ最後までチェックしてみてください。
番組制作のDX
オンラインコンテンツの台頭により、若者を中心に「テレビ離れ」が叫ばれている昨今。テレビ業界の広告費は2016年ごろから減少をはじめ、2022年には1兆8,019億円と、インターネット広告費3兆912億円を大きく下回りました。
しかし現在はテレビ業界でも、時代の要求に合わせてコンテンツや体制の大幅な改革が進められています。
この流れのひとつに位置づけられるのが、制作をはじめとする各種業務にデジタル技術を導入するDX「(デジタルトランスフォーメーション)」です。
テレビ業界のDXは業務を効率化するだけでなく、コンテンツの制作にも大きな影響を与えるでしょう。
たとえばAIやビッグデータを活用により、商品購買意欲の高い「コア層」からのニーズが高い企画案を抽出すれば、スポンサー離れの回避を期待できるかもしれません。
またSNSで集まった視聴者の声を番組作りに反映させたり、視聴者参加型の番組を企画したりと、双方向性の高い番組制作をすることも可能です。
そのため今後は、デジタル技術・SNSを活用してコンテンツ制作やマーケティングを行える人材の重要性が高まっていくと予測されます。
ネットシフトによるコンテンツの多様化
スマホ・タブレットの利用拡大や、5Gの普及により、いつでもどこでも楽しめるオンラインコンテンツの視聴者が急増しました。これを受けてテレビ業界でも、オンラインで楽しめるコンテンツを提供する「ネットシフト」の動きが進んでいます。
たとえば無料で視聴できるテレビ番組の見逃し配信サービス「Tver」は、月間動画再生回数が3.5億回を突破。新たにリアルタイム配信をスタートするなど、需要にマッチした施策でユーザー数を急速に伸ばしています。
またテレビ局やテレビ番組の制作会社が動画配信プラットフォームと提携して、コンテンツの配信権を販売するだけでなく、オンライン配信用のオリジナルコンテンツを制作するケースも増加しました。
今後はテレビ業界でも、テレビにとどまらない幅広いプラットフォームに対応した、多様なコンテンツのアイデア・制作ノウハウが求められるでしょう。
以上、コンテンツが多様化しつつあるテレビ業界の最新動向について解説しました。次回は【映像業界編】です。ぜひあわせてチェックしてみてください。