作業時間の最大9割カットも実現!テレビ・映像業界で進む「AIで働き方改革」
ひところは「残業も休日出勤も当たり前」というブラックな環境が常態化していたテレビ・映像業界。しかし現在は、AIをはじめとする最新テクノロジーの活用により、非クリエイティブな作業を効率化し、制作スタッフの負担を軽減する「働き方改革」が推進されています。
本記事ではテレビ・映像業界の働き方改革を促進する、代表的なAI技術を紹介します。テレビ・映像業界の仕事に興味はあるものの、「何だかきつそう」というイメージをお持ちの方は、ぜひチェックしてみてください。
自動モザイク入れAIソフトウェア「BlurOn」
日本テレビが2022年にリリースした「BlurOn(ブラーオン)」は、映像編集の自動モザイク入れAIソフトウェアです。
バラエティ番組や報道番組ではこれまで、人物やナンバープレートなどへのモザイク入れを編集者が1フレームずつ行っていました。1時間の映像を編集するのに2〜3日を要するケースもあるなど、非常に時間と手間のかかる作業でした。
昨今は個人情報保護の重要性が高まっており、編集スタッフの負担は増加しています。
「BlurOn」は人物・ナンバープレートを検出するAIを活用した高精度な画像認識により、モザイク入れ編集を自動化。最後にエフェクト・領域の形・位置などの微調整を行うだけで、簡単かつスピーディに作業が完了します。
実験では作業時間を最大9割カットできる結果も得られており、現場の働き方改革推進に大きく寄与するでしょう。今後は対応可能な映像編集ソフトウェアの拡大や海外進出なども見据えて、広く展開していく予定です。
AI業務支援システム「エイディ」
同じく日本テレビが社内開発した「エイディ」は、番組制作と事前準備の幅広いシーンで活用されるAI業務支援システムです。番組制作現場でAIをより気軽に活用できるようになっています。
架空画像の生成・ラベリング作業の自動化といった工夫により、AI学習に必要な準備作業時間が大幅に短縮されました。この結果、例えば以下のことが実現可能になりました。
・英語テロップの自動日本語変換
・スポーツ中継における競技スコアの自動入力
・映像監視の部分的な無人化
・モザイク処理の自動化
・生放送など、グリーンバックを設置できない環境での背面CG合成
いまでは番組の制作・送出業務におけるさまざまな課題を、時間・コストをかけることなく解決できるようになっています。
この業績が評価され、日本テレビは2021年に続き2年連続で、放送文化基金賞【個人・グループ部門】-放送技術-を受賞しています。
文字起こしエディタ「もじこ」
日本テレビ以外でも、AIを使った働き方改革の試みが行われています。文字起こしエディタ「もじこ」もその1つです。
テレビ・映像業界の制作者たちは、音声を文字に起こしてテロップ・字幕を作成する作業に多くの時間を費やしています。
「もじこ」は最新のAI音声技術を活用して、音声を自動でテキスト化。スタッフは使いやすさを重視したエディタによって、最後に文章の修正・編集を行うだけなので、文字起こし作業の時間と手間が大幅に削減されます。
番組制作での利用が前提とされているため、タイムコードとの連携をはじめ、サムネイル画像の表示、話者の設定などの各種機能が充実しているのも魅力といえるでしょう。対応言語は125以上に及び、日本語以外のインタビューもスムーズに文字起こしできます。
働き方改革が進んでいるテレビ・映像業界
最新テクノロジーの活用により、ブラックな体制から脱却しつつあるテレビ・映像業界。転職・就職をめざすなら、過渡期であるいまが絶好のチャンスといえるでしょう。
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