5G、AI活用やDX推進で成長! テレビ・映像制作・動画業界の未来予測 【後編】
前回から2回にわたり、最新技術がもたらすテレビ・映像制作・動画業界の未来予測について考察をしています。前編ではとくに「5G」「AI」「動画配信サービス」の3つの技術を取り上げました。
引き続き、「4K8K」「VR/AR」「DX」について取り上げながら、テレビ・映像制作・動画業界の未来について考察します。
4K8K:超高精細映像
フルハイビジョンの4倍の画素数を誇る4Kと、そのさらに4倍の画素数の8Kは、臨場感のある映像体験を実現する新技術。
コロナ禍の巣ごもり需要によって、4K8K対応のテレビを保有する世帯は順当に拡大しています。野村総合研究所の予測では、東京オリンピック・パラリンピックの開催が後押しすれば2026年には2757万世帯にまで伸びる見込みです。
保有数がさらに増加すれば、現時点でフルハイビジョンの画質である地上デジタル放送も、高画質化に向かうことでしょう。また5Gが普及すれば、インターネット上でも気軽に4K8Kの映像が楽しめるようになります。
VR/AR:仮想現実/拡張現実
まるで仮想空間にいるかのような体験ができるVR(仮想現実)と、現実世界に仮想の情報を付加するAR(拡張現実)は、今までとは質の異なる映像体験をもたらす新技術です。
VR/AR技術は、既存産業に積極的に取り入れられており、さまざまな分野のマーケットの拡大につながると考えられます。野村総合研究所は、ファクトリーloT市場が生産設備にAR技術などを搭載することで、2026年には市場規模が1兆1000億円を超えると予測を出しました。
テレビ・映像制作・動画業界でも、VR/AR技術を利用した番組・コンテンツの制作によりマーケットの拡大が期待できます。
DX:デジタルトランスフォーメーション
インターネットの広告費は2019年についに2兆円を突破し、テレビ広告を上回るほどのメディアに成長しました。スマートフォンなどによるインターネットでの情報摂取行動は、今後は若者だけでなく中高年齢層にもますます広がっていくでしょう。
そのため映像・動画業界はもちろん、テレビ業界でも「IT技術を利用したビジネスモデルの構築=DX(デジタルトランスフォーメーション)」の推進が急務です。これまでに紹介したさまざまな技術を、既存のサービスといかに組み合わせていくかが鍵になります。
また映像・動画業界にも、急速に発展していく新技術を臨機応変に取り入れていく柔軟性が欠かせません。DXによってこれまでにない価値を創造することで、テレビ・映像・動画業界のマーケットはますます拡大していくはずです。
テレビ局あるいは映像・動画業界への転職をする際には、IT技術についての幅広い知識・スキルがあると有利です。これまでの経験を活かしたいという方、新しい領域にチャレンジしてみたいという方は、ぜひ採用サイトをチェックしてみてください。