求人探しの前に押さえておきたい「テレビ・映像業界の最新ビジネスモデル」後編
前回は、テレビ・映像業界の最新ビジネスモデルの概要についてご紹介しました。視聴方法や視聴デバイスが多様化しているように、テレビ・映像業界のビジネスモデルもそれぞれ異なることがおわかりいただけたでしょうか?
今回は、さらに具体的な事例をご紹介していきます。
こんなものまで?地上波テレビ局の経営の多角化
前回、地上波テレビ局ではテレビ離れなどが理由で主たる収入源の広告費が減少し、イベントや権利関係(ライツ)の他不動産事業など広告外収入の占める割合が増加していることをお伝えしました。
では実際に広告外収入にはどのようなものがあるのでしょうか?
放送外収入のひとつが、各局自前のテレビ通販番組の物販で、ECサイトも連携し売上を伸ばしています。意外なところでは、貸しビル業やリゾート開発などの不動産・観光ビジネス、スポーツクラブの経営などを行う局もあります。
また、制作した番組を国内外で二次展開していくライツビジネスにも注力しています。インターネットによる動画配信サービスの拡大に伴い、コンテンツの需要は高まるばかりです。本業ともいえる番組で売上を伸ばすライツビジネスの比率は、今後上がっていくと考えられます。
テレビ局と小売業の融合?ショッピングチャンネルの場合
365日24時間、通販番組を放送するショッピングチャンネル。自前のスタジオから商品紹介という番組を企画・制作し放送する点は、地上波テレビ局と変わりありません。しかし、大きな違いがひとつ。それは他社の広告が全く入らないという点です。収入源は、番組と連動した商品の売り上げであることから、テレビ局と小売業が融合したビジネスモデルといえるかもしれません。
巣ごもり需要で売上アップ!ケーブルテレビ
ケーブルテレビは、月額の定額料金を支払うことで多数のチャンネルの視聴が可能になります。固定電話やWi-Fiなどのサービスも提供しており、コロナ渦で自宅の通信環境を整える必要と巣ごもり需要から会員数が増加。月額の定額料金制はサブスクリプションを導入する動画配信サービスと競合関係にあるともいえますが、逆に連携することで顧客のニーズを満たし会員数を増加させている会社もあります。
サブスクだけじゃない動画配信サービス
動画配信サービスの収入源と問われたら、「サブスクリプション=サブスク」と答えたくなるかもしれません。実際、多くの動画配信サービスがサブスクリプションを導入し、24時間365日見放題のサービスを顧客に提供しています。
経営側には一度会員になった顧客が退会するまで決まった収入が入り続けるので、財務基盤が安定しやすいというメリットがあります。このほか、見放題のサブスクリプションと課金を組み合わせたサービスを提供する会社も。
コロナ渦では最新映画の公開を動画配信サービスで行うこともあり、注目です。
地上波テレビ局と動画配信サービスの連携、動画配信サービスのオリジナルコンテンツ作成など、テレビ・映像業界のビジネスモデルは変化を続けることが予測されます。転職を検討中ならば、最新の情報を常にチェックしておきましょう。