デジタルシフト、働き方改革… テレビ・映像業界の将来性を語る4つのキーワード
2020年度のテレビ広告費が前年比88.7%と落ち込んだのに対して、インターネット広告費は前年比105.9%と成長をキープ。若者のテレビ離れが進むなど、コンテンツ消費のあり方はここ数年で大きく変わりました。
とはいえテレビ業界も手をこまねいているだけではありません。時代の変化に合わせて、業界全体でさまざまな変革を推進中です。
そこで今回はテレビ・映像業界の将来を語るうえで重要な4つのキーワードを解説していきます。就職・転職を検討していて業界の動向を知りたいという方は、ぜひ最後までチェックしてみてください。
デジタルシフト
テレビ・映像業界の将来を語るうえで欠かせない取り組みのひとつが、業務やコンテンツの「デジタルシフト」です。
なかでも業務・制作の領域でとくに注目されているのが、効率化・生産性向上を促すクラウドやAIなどのデジタル技術。たとえばAIを導入すれば、編集などの工数を大幅に削減できるうえに、膨大なデータを分析してより需要の高いコンテンツを企画できるようになります。
またSNSの台頭も、ユーザーの声を制作に反映させるなど、双方向のコミュニケーションを加速させました。
これらの変化は、見方によっては他業界からの転職・就職のハードルを下げたともいえるでしょう。テレビ・映像業界では業界内での経験以上に、最先端技術に関する知識・スキルや、AIでは代替できない発想力の持ち主が求められています。
動画配信
加えてテレビ業界で促進されているのが、地上波放送にとどまらないオンラインでのコンテンツ提供です。
YouTubeやNetflixといった動画配信サービスの普及により、スマホを使ってコンテンツを視聴する人が急増。テレビ・映像業界の主戦場はますますネットの側に傾きつつあります。
たとえば主要なテレビ局の番組をスマホで好きなときに楽しめるTVerは、2023年3月に月間動画再生回数が3億回を突破しました。また各局でも定額課金型動画配信(SVOD)の展開がスタートしています。
同時に、テレビは高齢者には依然として人気のメディアです。そのため今後は幅広い年齢層をターゲットにした高品質なコンテンツ制作が、多様な動画プラットフォームとの差別化をはかるうえでとくに重要になります。
働き方改革
一昔前まで、テレビ・映像業界では過酷な労働環境や低賃金などの問題が常態化していました。時代が変わり、現在は長時間労働の是正、有給取得の推進、評価制度と賃金の見直しといった働き方改革が進められています。
また先述したデジタル技術も現場スタッフの負担軽減に大きく寄与しています。
これにより就業の心理的なハードルはかなり下がっていくはず。転換期の現在は、転職・就職に最適な時期といえるかもしれません。
事業の多角化
テレビ各局では広告費の現象を背景に、テレビ以外の安定的な収益源確保のために事業の多角化も進んでいます。
具体的な動きとしてはイベント事業、不動産事業、都市開発や観光事業などの強化が挙げられます。またネット業界への参入を、この流れの一環ととらえることも可能です。
いずれもテレビ局の強みを活かせる周辺事業ですが、その枠組みは今後さらに広がっていくと見込まれます。そうなれば新規事業を開拓できる人材のニーズも高まっていくでしょう。
以上、テレビ・映像業界の将来を語る4つのキーワードを解説しました。
業界の変革にともない、必要とされる人材も変わりつつあるテレビ・映像業界。他業界で培った知識・経験を活かせる場面は、今後ますます増えていきます。
テレビ・映像業界への転職・就職を検討されている方は、ぜひ日テレ人材センターにご相談ください。業界経験のあるスタッフが豊富な求人から、希望の条件に合ったお仕事を提案。仕事や職場環境についてもくわしく説明するため、納得したうえで最適な選択をしていただけます。