もう「AD」ではない!? 働きやすくなったアシスタントディレクター
2021年末、日本テレビは局として「AD」という呼称を廃止して、「YD(ヤングディレクター)」に変更しました。
呼称変更の背景にあるのは「AD=激務」というネガティブイメージを払拭する意識改革の推進です。この流れは他局にも広がっており、ADの待遇についてもさまざまな改善が進められています。
今回はADの従来の労務環境を踏まえたうえで、具体的にどのような変革が行われているのか、現状をレポートしていきます。
ADの仕事内容と従来のイメージ
そもそも「AD」とはアシスタントディレクターの略で、現場の責任者であるディレクターを補佐するのが役割です。番組制作のキャリアで最初に就くポジションとして、現場で発生するさまざまな業務を担います。
収録や生放送に際しては、弁当・機材などを手配したり、出演者に向けてカンペを書いたり、ロケ先のリサーチを行ったりと撮影をサポートします。自ら撮影やリポートを行うケースも少なくありません。
編集で文字起こしやディレクターのサポートを行うのも重要な仕事といえるでしょう。会議では、必要な資料のコピーや、発言の板書を行います。
番組制作を円滑に進めていくためには、ADの存在が欠かせません。キャリアを積むとディレクターにステップアップできることもあり、やりがいが大きい仕事です。
一方で幅広い業務をこなすADは、少し前までかなりの激務として知られていました。
深夜までの残業は当たり前。休みが取れないどころか何日間も家に帰れず、現場で寝泊りをすることも珍しくありませんでした。過酷な環境に耐え切れず、数日で辞めてしまうADもいたほどです。
働きやすくなっている現状
しかし上記のようなブラックな体制は過去のもの。働き方改革やコンプライアンスの影響、また人材不足解消を目的に、ADの労働環境は大きく改善されつつあります。
例えば日本テレビでは数年前から、編集や会議による深夜までの残業を禁止しました。ADが担っていた業務の一部を、別のスタッフが行ったり、専門会社に外注するケースも増えています。
納期の兼ね合いでどうしても残業・休日勤務が発生してしまう場合でも、別のタイミングでしっかりと連休取得が可能です。
日本テレビがADの呼称を廃止して「YD」の呼称を取り入れたのも、このような意識改革の一貫です。
もちろんすべての問題がクリアになったわけではありません。テレビ局の業務量が数年前からそれほど減少しておらず、「実態が変わらなければ意味がない」など、ADの呼称廃止に対する懐疑的な意見もあります。
しかしスタッフ一人ひとりの負担を減らしていくには、現場の労働力増加が欠かせません。そのためにも、根強く残る「ADはブラックな仕事」というイメージを変えていく必要があるのです。
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