視聴率はもう古い!?テレビ業界が本当に気にする2つの数字とは?
五輪やサッカーW杯などの大型スポーツイベント開催時、年末年始などの大型特番編成時などに話題になる「視聴率」。
昨今のテレビ業界では「世帯視聴率」だけでなく、「個人視聴率」「タイムシフト視聴率」などを幅広く測定するようになりました。また新たな指標としてTVerの「見逃し配信再生数」にも注目が集まっています。
番組の人気はもちろん、CMの効果を数値化するうえでも重要な視聴率は、テレビ業界で働く以上、無関心ではいられないキーワードです。今回は各視聴率・指標の概要と、テレビ業界がいま本当に気にしている数字について解説していきます。
世帯視聴率・個人視聴率・タイムシフト視聴率の違い
調査がスタートした1960年代から長い間、テレビ業界で視聴率といえば、世帯を単位にした「世帯視聴率」を指していました。
世帯視聴率はテレビを所有している対象世代のうち、リアルタイムで番組を見ている世帯の割合を算出したもの。たとえば対象の100世帯のうち10世帯がある番組を視聴していれば、世帯視聴率は10%になります。
対して「個人視聴率」で対象になるのは、世帯ではなく個人です。
対象世帯の人口を母数とする「個人全体視聴率」のほかに、性別・年齢・職業といった特性で区分けをして、特性ごとの視聴率を算出することもできます。
スポンサーがCMを出稿する際、世帯視聴率ではどのような視聴者が番組を見ているかわからないため、効果が検証しにくいという課題がありました。
2020年4月以降にはすべての調査エリアで個人視聴率調査がスタート。現在はテレビ局もスポンサーも、世帯視聴率より個人視聴率を参考にするのが一般的となっています。
一方、番組オンエア時点の視聴率を測定する世帯視聴率・個人視聴率に対して、オンエアから7日間(168時間)以内に録画再生で視聴された割合を示すのが「タイムシフト視聴率」です。
録画での視聴が当たり前となったいま、これも重要な指標のひとつといえます。2016年10月に関東で調査がスタートし、2020年4月以降は全国規模に拡大しました。
テレビ業界が本当に気にする2つの数字
このように指標が多様化しているなか、テレビ局やスポンサーがとくに重要視しているのは「コア視聴率」と「見逃し配信再生数」です。
コア視聴率は「コアターゲット視聴率」の略で、個人視聴率のなかでもファミリー層と呼ばれる13〜49歳の男女を対象にしたもの。ファミリー層は商品購買意欲の高い視聴者層といわれていて、CMの出稿に際してはとくに重視される傾向にあります。なお、放送局によって、ターゲットの年齢設定は微妙に異なります。
見逃し配信再生数は、TVerをはじめとするオンラインの見逃し配信サービスで、番組がどれくらい再生されたかを示す指標です。
若い世代を中心に、テレビでのリアルタイムの番組視聴が減少している昨今。見逃し配信再生数が数百万回に達する番組もあり、無視できない指標といえます。
たとえ世帯視聴率が一桁台でも、コア視聴率や見逃し配信再生数の数字がよければ、番組制作は「成功」とみなされるのです。
もちろん指標の変化が、制作する番組に反映されないはずはありません。そのため現在はテレビ業界全体に、新しい感覚をもった若手人材の活躍が求められています。
この機を逃さずテレビ業界でのキャリアをスタートさせたいとお考えの方は、ぜひ日テレ人材センターの求人情報をチェックしてみてください。テレビ・映像業界の求人情報を豊富に掲載しており、未経験からの挑戦も可能です。