DX、AI、クラウド… デジタル化で大きく変わるテレビ・映像業界【前編】
現在はテレビ・映像関連の業界にもデジタル技術導入の重要性が叫ばれており、業界自体が大きな過渡期にあると言っても過言ではありません。デジタル化の具体的な事例であるDX、AI、クラウドといったキーワードについて、2回にわたって紹介をしていきます。
DX:デジタルトランスフォーメーション
「DX」とはデジタルトランスフォーメーションの略称で、IT技術を活用して人々の生活にかかわる多様な場面に変革を起こすことです。
他の業界と同じく、テレビ・映像業界にもこのDXの波がおしよせており、実際に新たな技術・サービス・ビジネスモデルが続々と生まれつつあります。
DXのメリットは単純に制作作業の効率化をはかれるだけではありません。ユーザーの満足度を高めたり、従業員の負荷を減らしたりとさまざまな利点があるのです。
現在はYouTubeをはじめとするインターネット上のプラットフォームサービスを使えば、個人でも簡単に映像コンテンツが配信できます。
若者のテレビ離れも問題視されていることもあり、テレビ・映像業界ではDXのような急速な変化にも、臨機応変に対応していくことが欠かせません。
AI:人工知能
テレビ・映像業界に大きな変化をもたらすデジタル技術のひとつが人工知能、すなわち「AI」です。
番組・動画の制作にAIを導入することで得られるメリットが作業の効率化。
例えば簡単な条件設定だけで、膨大な映像の中から必要なデータをすぐにピックアップできたり、外部サービスへの転送を含む一連のワークフローを自動化できたりと、かなりの作業量削減につながります。さらに重要なのがAIによるビッグデータの解析です。
AIが過去の放送データから、どのような番組・動画を制作すべきかの具体的な分析を行うことで、より多くの視聴者に求められるコンテンツが制作できるようになるかもしれません。
この技術を活用すれば、若者のテレビ離れ解決につながる可能性もあるでしょう。
クラウド:インターネットを通じたデジタルインフラ
テレビ・動画業界が抱える課題のひとつに人手不足があります。その原因として挙げられるのが、番組・動画制作をする上で現場への移動に時間がかかること。移動中に編集作業ができず、一人にかかる負担が大きくなるという問題がありました。
しかし映像コンテンツの管理・編集をインターネット上で行える「クラウドサービス」を導入すれば、基本的にはどこにいても編集作業が行えるため上記の問題は解決されます。
例えば「Microsoft Azure」などのクラウドサービスであれば、膨大なデータの検索もスムーズに行えるため、制作作業をかなり効率化できるでしょう。
さらに人員削減のためのコストをカットすることで、制作の別の部分に費用を回すこともでき、番組・動画のクオリティ向上に役立つかもしれません。当然、これらのデジタル化によって、テレビ・映像業界に求められる人材も、大きく変化していく可能性が高いです。
次回は他のデジタル化の事例についても紹介した上で、今後テレビ・映像業界に求められるであろうスキルについても解説をしていきます。