ディレクターとは、現場での制作活動を指揮監督する人の総称で、テレビディレクターは、テレビ番組制作の現場指揮、WEBディレクターはデジタルコンテンツの制作指揮を担います。
最近ではテレビとネットの融合によるクロスメディア展開の流れが加速しているため、双方に活躍の場があります。
それぞれのディレクターの業務がどういったものなのか徹底解説します。
現場の進行管理全般を担う指揮役
テレビディレクターの場合、番組プロデューサーによる企画を受けて、テレビ番組の制作スタッフを指揮し、台本制作や情報収集、ロケ地の決定、スタッフの手配、スケジュール管理、VTRの編集など多岐に渡る現場の進行管理の全てを担います。また、ほとんどの場合、アシスタントディレクター(AD)がディレクターのサポート役に付いています。
一方、WEBディレクターの場合、WEB制作のプロジェクトをまとめて指揮し、WEBデザイナー、プログラマー、ライター、SEO担当などのプロジェクトメンバーの選定から、スケジュール管理や品質管理、クライアントとの折衝も担当します。WEBサイトの規模によっては、コンテンツ企画などのWEBプランナーの仕事を兼任することもあり、その場合は、企画書の作成や要件定義なども含まれてきます。
チームの統率力がありマネジメント力がある人
テレビディレクターは、「視聴者に面白い番組を作りたい」との思いで番組制作を楽しめ、柔軟で多様な発想力をもっている人が向いています。ほとんどの人がアシスタントディレクター(AD)を経験して責任者としてのディレクターの道へ進むことになります。
テレビや映像が好きで好奇心が必要なのはもちろんのこと、視聴率という成果指標も達成しながら、スタッフをまとめていく統率力を発揮して制作チームを動かしていくことにやりがいを感じるのが、テレビディレクターの醍醐味といえるでしょう。
一方、WEBディレクターは、クライアントのWEBの目的とゴールに合わせたWEB制作の提案を行い、プロジェクトを動かしていくことになりますので、客観的な判断力やクライアントとの交渉力も発揮します。見込みの高いターゲットユーザーを、WEBサイトへ効率的に誘導・獲得し、アクセス数などを最大化することを達成しながら、プロジェクトの実行責任者としてWEBサイトを完成させることにやりがいを感じる人に向いています。
テレビ制作に関する知識や経験、様々な能力が必要
いずれのディレクターにも共通して、専用スキルと経験をもち、チーム全体をまとめてマネジメントする能力および達成する責任ある実行力が求められます。
テレビディレクターの場合は仕事が多岐にわたり、テレビ制作に関する知識や経験をもつだけでなく、様々な能力が必要になります。
まず、番組制作が好きで好奇心があることは重要です。そのうえで、スタッフのモチベーションを維持し、番組制作の進行をスムーズに行うためのリーダーシップとコミュニケーション力や、多くの視聴者に受け入れられる時代のニーズを読み取れる力と形にする構想力も必要になります。また変動の多い現場での臨機応変な対応力も必要になります。
一方、WEBディレクターは、多くのスタッフを指揮してWEB制作プロジェクトの監督をするので、適切な指示を出せるよう、ある程度のWEB技術に関する専門的知識や経験は当然必要になります。またクライアントと交渉に必要なコミュニケーション力や、プロジェクトのマネジメント能力も求められます。最新のデジタル技術の動向や、他社の動向も把握し、戦略的な構想力も必要になります。
テレビディレクターの場合は、アシスタントディレクター(AD)からの厳しい経験を積み上げてきているケースが多くなります。その後、プロデューサーへの道に進むのが一般的です。
また、テレビ局や番組制作会社でのキャリアアップのほか、独立してフリーランスとして活躍する人も多いです。視聴者志向の時代のニーズを読み取る力を損なわないようにしておくことが必要でしょう。
一方、WEBディレクターの場合も、テレビディレクターと同じく、テレビ局や番組制作会社でのキャリアアップのほか、独立してフリーランスとしての活躍の道も多くなっています。テレビとネットの融合がさらに進むなか、デジタルメディアを利用したコンテンツ制作のキャリアパス需要は今後も拡大してくる見通しです。時代のニーズやクライアントのニーズを常に把握し、最新のデジタル技術動向もキャッチし続け、新しい有効な提案ができておくようにしておくことが必要でしょう。